2016年3月11日金曜日

Lepai LP-168 HAの購入を機に、小型密閉型サブウーファーと小型密閉型スピーカーの製作(自作)【第1回】

ニアフィールド用の小型密閉型スピーカーに小型密閉サブウーファーの追加で、低音のタイト感と音場の広がりが増す!!

  

昨年、12月11日にヤフオクでサブウーファー出力付のLepai LP-168 HA購入を機に、今年1月中旬よりニアフィールド用に、このアンプの機能を活かした小型密閉型サブウーファーと小型密閉型スピーカーの製作に取り掛かってきました。


これから、2.1chアンプに対応したアコースティックサスペンション方式の小型密閉型サブウーファーと小型密閉型スピーカーの製作(自作)をご紹介してまいります。


◆ 目次 
 
1.☛アコースティックサスペンション方式小型密閉型サブウーファー小型密閉型スピーカーの概要
    
2. 2.1chアンプLepai LP-168 HAの特性をスピーカー製作(自作)に反映させる



アコースティックサスペンション方式小型密閉型サブウーファーと小型密閉型スピーカー
_____________________________________________________


1.☛ アコースティックサスペイション方式小型密閉型サブウーファーと小型密閉型スピーカーの概要


■ アコースティックサスペンション方式



アコースティックサスペンション方式とは、ユニットの口径に対し比較的小容積の密閉型エンクロージャーに、音材を十分に満たし、「foの低いユニット」を使い、より低い周波数までフラットな特性で低音再生を可能にした方式です。



このアコースティックサスペンション方式は、イギリスのAR社(Acoustic Research)によって1955年前後に開発されまいた。 詳しくは、オーディオの足跡等でご参照ください。



一般にサブウーファーを密閉型で製作するとバスレフ型に比較してエンクロージャーは、ローエンドを伸ばそうとすると大きくなります。そこで密閉型サブウーファーの小型化を図る目的でアコースティックサスペンション方式を取り入れることにしました。



アコースティックサスペンション方式で小型密閉型サブウーファーを製作するためには、AR社で使われているfoの低いユニット」が必要になます



簡単に説明するとコーン紙の「振幅が大きく取れるユニット」ということでしょう。具体的には、コーン紙(振動板)が重く、サスペンションが柔らかく、ロングボイスコイルタイプのユニットとなります。



■ 採用したスピーカーユニット(ドライバー)


【 サブウーファー用ユニット 】



上記、要件を満たすために、低音領域おける下限域再生性能に優れたfoの低いウーファーユニットと、そして、エンクロージャーの更なる小型化を図るため、8~12cm口径ののユニット中から採用を考えてました。

* 8cm口径  : 小型化には適しているが、foが高い。

* 10cm口径 : 小型化には適し、foも100Hzを切るユニットもある。

* 12cm口径 : foも100Hzを切るユニットも多いが、エンクロージョーの大きさが気になる。



しかし、今回は以下ような状況から衝動的に、フルレンジを採用してしまいました。



アンプのテスト試聴のため手持ちの日立製10cmフルレンジを裸の状態でLepai LP-168 HAのサブウーファー出力に繋ぎ、サブウーファーレベルを徐々に上げていると、思いのほかコーン紙(振動板)が大きく振幅。尋常じゃないほど。「10cmフルレンジってこんなにストロークする!?」



「フルレンジとは思えない程。ウーファーユニットに近い特性!? 低音域も下限の方まで10cmとしては、十分出ているように聴こえる。



これだと、「密閉(アコースティックサスペンション方式)でもいける!」という衝動から、10cmフルレンジで製作(自作)しました。 製作した結果は、思いのほか良好な結果が得られました。


* 10cmフルレンジ 10W 日立製テレビより取り出し品 



詳しくは、【次回】の中でお伝えいたします。  



【 L・Rスピーカー用ユニット 】



下記のフルレンジを選択しました。

7cmフルレンジ 7W トップトーン製 F70A21-5 (ネットから購入)

詳しくは、【次回】の中でお伝えいたします。


■ 密閉型エンクロージャーの容積と容姿「ルックス」


* L・Rスピーカー  : 1.5リッター前後  吸音材は、必要最小量
* サブウーファー  : 5.0リッター前後  吸音材は、フル充填



密閉型エンクロージャーの容積と吸音材の充填量は、上記のとおりです。容姿(ルックス)は、このページの上の画像をご覧ください。

詳しくは、【次回】の中でお伝えいたします。


2.☛ 2.1chアンプLepai LP-168 HAの特性をスピーカー製作(自作)に反映させる 


■ Lepai LP-168 HAの仕様とレビュー




Lepai LP-168 HAは、AB級ンプ。普通のアナログアンプになります。仕様と主観による評価は下記になります。

 ステレオ出力    2×40W MAX(電源に依存)
 サブウーハー出力  1×60W MAX(電源に依存)
 電源入力ジャック  2.1mm×5.5mm
 電源        9~14.4V DC5A
 ライン入力     RCA、3.5mmミニプラグ
 USBポート    スマホやMP3プレーヤーなどに充電可能・・?
 サイズ       約18.6cm×13cm×4.9cm
 重量        458g
Lepai LP-168 HA 前面パネル
前面パネルには左より、1・電源スイッチ、2・赤のランプ(電源確認)3・サブウーファーレベル調整ツマミ0~10、4・クロスオーバー領域の調整ツマミ50~200Hz、5・青のランプ(サブウーファー出力レベルに応じて点滅)、6・高音レベル調整ツマミ(L・R用)、7・低音レベル調整ツマミ(L・R用)、8・音量レベルツマミ(L・R用)、9・3.5mmミニプラグジャック


 
Lepai LP-168 HA 後面パネル
後面パネルには左より、1・RCA入力ジャック、2・(上段)R・Lスピーカーターミナル、(下段)サブウーファーターミナルR・Lどちらでも出力、3・USBポート、4・電源入力ジャック



【 外観と品質の評価 】



購入価格は、商品代金¥2、480+送料¥510で、電源アダプターに12V5Aが付属してました。価格から考えて仕上がり品質は、アルミ材の肉厚も薄くもなく、そこそこの質感があります。



アンプのデザインは、人それぞれ好みは違うと思いますので、評論しません。決して嫌いなルックスではありません。価格、相応でしょう。


【 各調整機能の評価 】


Lepai LP-168 HA 前面パネル 各調整機能

サブボリューム、メインボリューム共に、調整量に応じた必要十分な出力が得られます。


クロスオーバー調整は、50Hzから200Hzに徐々に右に回しても、サブウファーからは、中音の量が増えて聴こえてくるばかりで、調整よってクロスオーバー値が変わっているようには思われせん。周波数音圧特性測定でも低音域から中音域方向の音圧が上がるばかりでした。


トーンコントロール調整は、高音、低音ともに調整量に応じた増減量が不足気味と思われます。


■ サブウーファーとL・Rスピーカーの音の繋がり 




周波数音圧特性測定には、スマートホンで利用できるアプリ「FrequenSee-スペクトラムアナライザ」を活用しました。手軽に周波数音圧特性測定ができるので、スピーカー製作(自作)に取り組む上でトテモ役立ちました。



では、アンプのテスト試聴と周波数音圧特性測定を経て。


[1] 2.1chアンプLepai LP-168 HAの機能であるサブウーファー出力からは、任意のクロスオーバー調整値における、減衰フィルタの減衰があまりにも緩やかなため、中音域の音が聴こえてくる
500Hz以上の音圧も測定で確認できました。


[2] L・Rスピーカーから、音量ボリュームを上げると入力OFFの状態でも、微量な「ビー」というノイズが聴こえる。入力ONにし音量ボリュームを上げると、ソース音にかき消され、その「ビー」というノイズ音は気にならなくなる。



上記、2箇所がLP-168 HAで、最も気になったところでした。[1]と[2]を改善するため改良を行いところですが、アンプはノーマル特性を基に、サブウーファーとL・Rスピーカーの製作(自作を)に取り組みました。[2]のノイズについては、無視しました。



[1] において、サブウーファーのクロスオーバー調整が50Hzの位置でも中音域の音が聴こえるため、サブウーファーとL・Rスピーカーのの繋がりを考慮しました。



*サブウーファーから出る中音をできる限り抑える密閉型エンクロージャーの構成に。



L・Rスピーカーとサブウーファーから出る音の重なり合う音域を最小帯域するために、L・Rスピーカーユニットには、低音の出ないフルレンジを採用。



以上がLP-168 HAの特性をスピーカー製作(自作)に反映させた事項になります。



今回は、ここまでになります。この続きは、【次回】アコースティックサスペンション方式で小型化を目指した。小型密閉型サブウーファーの製作(自作)でお伝えいたします。



お疲れ様です。有難うございました。


P[013]


 関連コンテンツ 




 密閉型2Wayスピーカー「スパイス2.11」~1>>密閉型スピーカー製作に初挑戦
 密閉型2Wayスピーカー「スパイス2.11」~2>>密閉型2Wayスピーカーのフルレンジ
 密閉型2Wayスピーカー「スパイス2.11」~3>>フルレンジユニットのマウント方法
 密閉型2Wayスピーカー「スパイス2.11」~4>>エンクロージャーの剛性と材質
 密閉型2Wayスピーカー「スパイス2.11」~5>>密閉型2Wayスピーカースパイス

2014年3月21日金曜日

小型バックロードホーン!手頃なフルレンジ型(3)

  バックロードホーン音質改善  


バックロードホーンには特有の共鳴音がある。


上記課題は、バックロードホーンにおける最も忌まわしい課題です。

バックロードホーン型スピーカーの音にはエンクロージャーの大小にかかわら、共鳴音(癖、エコー的な)とでもべき音色が多か少なかれ確認できるのではないでしょうか?

その共鳴音(癖、エコー的な)の現われ方が甚だ激しくなると「ボーボーとかホーホー」という具合に聴こえるようです。


このようなバックロードホーン型特有の共鳴音(癖、エコー的な)を解消するために、空気室、道内、口端内部に吸音材の充填をしたり、エンクロージョー剛性に配慮した強化造にしたりしています。

また、フルレンジユニットを交換したり、フルレンジユニット(ドライバー)並びエンクロージャのエージングに頼るなど、いろい音質改善策が行われてます

それをうかがい知る記述をネットでよく読みました。前作の小型バックロードホーンの音でも確認しています。・・・・・その原因は????


共鳴音の原因は、音波の反射


バックロードホーン型の動作原理は、ホーン原理に基ずく動作より、共鳴原理に基ずく動作支配的と思います。それは、音波の性質、特性を良く知ることで、おのずと理解できるはずです。


下の2機種のバックロードホーン型スピーカーは、ネットで小型バックロードホーンと検索すると、よくお目にかかるCW型のホーンロード構造のエンクロージャーです。


【平行直管型段階ホーンロード】


第1音道・第2音道・第3音道・第4音道・・・ロード(音道)内の断面積を段階的に拡大することで疑似的エキスポネンシャルホーンとしたCW方式のバックロードホーンスピーカー


平行直管型段階ホーンロード

【エクスポネンシャル(指数関数)ホーンロード】


長谷弘工業様が販売されている板を重ねて作るバックロードホーンスピーカーに見られるような、曲線構造でスムーズな広がり率を可能にしたエキスポネンシャルホーンをCW方式に取り入れたバックロードホーンスピーカーです。

こちらはロード(音道)内で起こる音波の反射は、【平行直管型段階ホーンロード】に比べ、かなり抑えられると思われます。


エクスポネンシャル(指数関数)ホーンロード

上記、どちらのバックロードホーン型スピーカーの開口端でも、ホーン原理を基に考えると、低音域周波数の波長の長さより開口端周囲の長さが不足しているため、開口端で音の反射が起こります。また、反射波を抑える開口端形状とはなっていことも挙げられます。


これは、開口端外周部空間の音響インピーダンスと開口端から放射せれる音の音響インピーダンスとの間に、音響インピーダンスの差があり、インピーダンスの整合が取れないため、開口端から空気室に向かう反射波が起こるからです。


これにより、、開口部から空気室に向かう反射波に起因する共鳴(癖、エコー的な)が起こり、これが、「バックロードホーン型スピーカー特有の癖=音色の元」となっていると考えます。



また、平行直管型段階ホーンロードでは、各音道内毎に音波の反射が起こりやすい構造で、端で起きる反射波と各音道内毎で起きる反射波が互いに複雑に作用しあい、エクロージャー構造に応じた特有の共鳴が起こると考えます。


音質改善策


回は小型バックロードホーンという縛りがあることから、低音域における共鳴音(癖)に消し去ることは、音(音波)の性質・特性上(ホーンの原理的に基づくと)不可能という至ってます。


一般的な小型バックロードホーン型スピーカーでは、低音を再生するために必要なロード長さることながら開口面積、開口端周囲長を有していない、あまりにも開口端が小さすぎます


だからと言って開口部を大きくする為に、ホーン(ロード部分)の広がり率を大きく取るとうことではないです・・・・・・・・

フロントホーン型並びバックロードホーン型の最も重要なファクター

1、低音再生に必要な開口端の大きさがある

2、開口端で起きる反射を抑える開口形状がある

3、ロード(音道)内で反射を起さない形状が必要

4、低音域再生に必要なロード長の確保

5、空気室で中高音を減衰を図る(バックロードホーンのみ)

であると考えます。

低音再生に必要な開口部の大きさと開口部やロード内で起きる反射波を抑える形状にすることで、改良された音色、音質は期待できるものと思います。

ただ、小型ゆえ低音域再生に必要なロード長と開口端の大きさを確保することは、非常に難しいと思います。

【追記】

100Hzの低音をホーンできれいな音で再生するためのホーンの周囲長は、最低でも1オクターブの50Hzの波長の長さが必要です。計算していただくと分かりますが、かなりの大きさのホーン開口端になります。小型バックロードホーンの枠には、到底おさまるものではありません。

小型バックロードホーンスピーカーと言うより、小型バックロードスピーカーと改名した方が良いのではないか、と、この頃、思う次第です。

P[012]


 関連コンテンツ 


小型バックロードホーンフルレンジ一発自作 a>>気になる!!バックロードホーンの音
小型バックロードホーンフルレンジ一発自作 b>>小型バックロードホーンの音道
小型バックロードホーン手頃なフルレンジ型(1)>>小型なバックロードホーンとは
小型バックロードホーン!手頃なフルレンジ型(2)>>前作バックロードホーンの音色
小型バックロードホーン!手頃なフルレンジ型(3)>>バックロードホーンの音質改善