2011年10月31日月曜日

密閉型2Wayスピーカー「スパイス2.11」~5

 密閉型2Wayスピーカー「スパイス2.11」完成 


密閉型2Wayスピーカー「スパイス2.11」~4からの続きです。






密閉型2Way「スパイス2.11」をTVに接続


 9月上旬に、「スパイス2.11」が完成しました.。そこで液晶テレビの背面にトグルスイッチとスピーカー接続用の音声出力ターミナルを取り付け、テレビ内臓のアンプで「スパイス2.11」を鳴らすように改造しました。

 これにより液晶テレビ付属のリモコンでスピーカーの音量調節が可能となり、液晶テレビで様々なスピーカーシステムが試聴可能としました。

 テレビ内臓のアンプ(シングルアンプ)はけして性能が良いとは思いませんが、ブルーレイレコーダーでCDが再生できるの、スピーカーシステムの試聴とテストを繰り返すのには打って付けです。

ただし、シングルアンプの場合ですと、2Wayか1Way(フルレンジ一発)のまでのスピーカーシステムで鳴らすのが最適と考えています。

 それは、スピーカーユニットの鳴らし方の観点からと。そして、シングルアンプで鳴らすマルチウェイ方式では、フルレンジの音声電気信号をLCネットワークで分割しますので、音声電気信号回路にコイルとコンデンサーを入ることで電圧と電流の位相差が起こるなど、弊害があるからです。

 スピーカーユニットのインピーダンスは、入力周波数に対して一定ではなく、その値が変化することで設計上クロスオーバー周波数は一定ならないこと。

そして、スピーカーユニット数が増えると、LCネットワークによるクロスオーバー周波数ポイントも当然増えますので、電圧と電流の位相差によりユニット間のタイムアライメント合わせが容易ではない、という問題があるからです。

 スラント(傾斜)式スタンディング 



密閉型2Way、スラント方式

  エンクロージャーの脚は、三点支持とし、画像では
  判りにくいのですがエンクロージャーのトップパネル
  面とスピーカーを設置しているフローリングの面は平
  行で、トップパネル面は水平を保たせています。

   これによりトップパネルに置かれたホーンツィータ 
  ーは水平方向に音を放射します。

   加えて、エンクロージャーを後方に5度スラント(傾
  斜)させてスタンディングさせることで、ホーンツィータ
  ーの放射音とフルレンジの放射音の空間合成をスム
  ーズになります。

   また、エンクロージャーをスラント(傾斜)させること
  で、前方方向への音飛びが良くなる為、音場の奥行感
  を出すのに一役かっています。

   更に「スパイス2.11」では、ユニット間のタイムアライ
  メントに配慮したフリー配置型(前後に移動可能)ホー
  ンツィーターとしています。



 「スパイク2.11」の音質のスケールやリアル感 


 「スパイク2.11」の再生音は、密閉型スピーカーの特徴の低音域の締まり、ホーンバッフルの指向性のコントロールにより中高音張り出しもあり、そして、フルレンジユニットの接続端子からアンプまでの間にはスピーカーケーブル(その間の直流抵抗値を下げるためターミナル端子なし)しかありませんので電磁制動(ダンピング)の利いた、なかない良い音ではないかと主観ですが感じます。

しかし、フルレンジユニットの口径が小径のため、再生音から聴こえる楽器のスケール感とリアル感は、今一歩も百歩も後退しているかのようです。


 でも、メリハリのある好みの音質です・・・・・


 「スパイス2.11」のは14cmのフルレンジ小径ユニットなので、・・・そもそも、生の楽器(太鼓)が発する音(疎密波)の体積量とスピーカーユニットの振動板が発する音(疎密波)の体積量が、あまりにもかけ離れ過ぎていて量的差があるからでしょう。


 やはり、低音域の再生には、口径の大きいスピーカーユニットの方が適しているのではないでしょうか。

 今後の予定は、フルレンジユニット一発(1Way)仕様、コーナーセッティング型密閉スピ
カーシステム製作に取り組もう考えてます。

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 関連コンテンツ 


密閉型2Wayスピーカー「スパイス2.11」~1>>密閉型スピーカー製作に初挑戦
密閉型2Wayスピーカー「スパイス2.11」~2>>密閉型2Wayスピーカーのフルレンジ
密閉型2Wayスピーカー「スパイス2.11」~3>>フルレンジユニットのマウント方法
密閉型2Wayスピーカー「スパイス2.11」~4>>エンクロージャーの剛性と材質
密閉型2Wayスピーカー「スパイス2.11」~5>>密閉型2Wayスピーカースパイス

2011年8月16日火曜日

密閉型2Wayスピーカー「スパイス2.11」~4

 スパイス2.11のエンクロージャーの剛性と材質 



*エンクロージャーの材質

 「スパイス2.11」のエンクロージャーパネルの材質には、外部を厚さ12mmのラワン合板を上張りに、内部を厚さ9.5mmの石膏ボードを下張りに、それらを接着剤で貼り合せ厚さ21.5mmの合材化にしました。


「スパイス2.11」密閉型2Wayエンクロージャー内部


 石膏ボードメーカーの吉野石膏のスーパータイガーボードの遮音性についての文章中に、

「・・・・従来のせっこうボードのみを用いた遮壁に対して、さらに壁面の重量を大きくる
と、よび上張りと下張りの材料に異なる種の材料を用いることによって、よりい
っそう遮音性を向上させることができるということが、当社総合性能試験センターでの
基礎実験によって明らかになりました。」 【引用】


 エンクロージャーパネルの材質を上文のような遮音壁と同じように複合材化することで、同じ厚さの合板を単体で使用する場合より、遮音性能が向上することでエンクロージャー内部の音をエンクロージャーの外に通しにくくなると考えられます。

 複合材化する、もしくは複合材をエンクロージャーの素材として用いることは、ユニットの背圧(定在波、音圧)よる影響で起こるエンクロージャーパネルの不要な共振(振動)を抑えるのに効果があると考えられます。

 それは俗によく言われる箱鳴りを抑えることになります。箱鳴りを抑えることで、再生音の分解能、音像定位の向上が見込めます。

 複合材は、「最も音の癖が少なく、作り方次第で無個性の音色、音質が聴ける良い材質」というような内容の記事がネット上にもあります。

 そして、エンクロージャーパネルからの不要な音(響き)を出さないようにすることは、スピーカー製作上、音質の向上を図る上で最も重要な要素だと考えます。

 材質には、極論を言えば固有の響き(音)を持たない材質が最適を考えますが、しかし、それは現実上不可能なようです。

 エンクロージャーパネルに適した材質の条件は、「遮音性能に優れ、固有の響きが少ない(癖が少ない)、できれば持たない。」ことが要求されると考えます。

エンクロージャー(スピーカーは楽器ではない。)にとって「響き」は、不要な付帯音(歪)あり、正しいかどうかわかりませんが時間歪をも、もたらすのではないかと考えます。


*エンクロージャー使用されている合板比重


主なエンクロージャー材料の比重

 「スパイス2.11」の材質の項で述べましたが、上張りには、厚さ12mm、比重0.6のラワ、下張りに厚さ9.5mm、比重0.67のタイーボード(石膏ボード)を貼り合せてエンクロージャーのパネルとして使用しました。

 当初は、遮音性能の向上を図る為、エンクロージャーパネルの重量を上げる為に下張りに1.2のスーパータイガーボードを使いたかったのですが、ホームセンターに見当たらなかったので、倉庫に寝ていた3×8サイズ、厚さ9.5mmと12.5mm比重0.67のタイガーボードのうち、今回はテスト作ということもあり9.5mmのタイガーボードを使うことにしました。

 タイガーボードは、合板に比べ価格が安価であることからも使用価値があるとも考え、合板で最も安価なコンパネと、1.2のスーパータイガーボードの組み合わせでエンクロージャーを製作するのも、一考と思います。

 使用した結果、 「スパイス2.11」の、トップパネル、ボトムパネル、バッフル下パネルでは、大音量時でも、「箱鳴り」共振による不要振動を各パネルを手で触れてみても感じることができず、全く問題のないレベルでした。

 L、Rサイドパネルの面積が大きいためか、不要振動が若干発生ていました。ただ、一般的なテレビを観る時の音量程度ですと不要振動を感じることができませんでした。

この続きは、密閉型2Wayスピーカー「スパイス2.11」~5で・・・・・

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