密閉型2Wayスピーカーのフルレンジユニット
試作(テスト)の密閉型スピーカー製作用に、ヤフオクで入手した中古品を使用。
「スパイス2.11」の音色を統一する為、ウーハー、ツィーター共にパルプ素材の振動板を持つコーン型スピーカーユニットをセレクトしました。
ローコスト中古スピーカーユニットをどうチューニングし、もしくはアレンジ、チューンアップすると「音質向上が出来るのか!?」
そこが最も興味深いところ。その為のテクニック、メソッド、ノウハウは「いかに?」というところでしょうか。
* 「フルレンジユニット」
ユニットは、エッジは細身、ダンパーは固めで、コーン紙とダストキャップ(センターキャップ)は厚めのパルプ素材。ガスケットは付いていません。
ユニットを裸の状態で試聴したところ、フルレンジ型としては高音域の音圧が低く、伸びも感じられないもで・・・・そして、能率も低いものでした。
因みにマグネットサイズは下記となります。
・メイン・・・・・直径6.5cm厚さ1.1cm
・サブ ・・・・・直径5.5cm厚さ0.8cm
画像は、チューニング途中のユニットです。何の変哲もない量産型の安物です。
テクニクスの直径5cmバックチャンバーなし、ユニットの背後が半開放されたタイプ。
そもそもこのユニットは、ツィーターとして入手した訳ではなく、その頃、ホーン型のスコーカーが欲しくて、ヤフオクで「テクニクスSB-400」のマルチセルラーホーン型スコーカーとして落札したユニットなのです。
そもそもこのユニットは、ツィーターとして入手した訳ではなく、その頃、ホーン型のスコーカーが欲しくて、ヤフオクで「テクニクスSB-400」のマルチセルラーホーン型スコーカーとして落札したユニットなのです。
ところが、マルチセルラーホーンのドライバーユニットは、画象のユニット。
その為なのか、一般的なコーン型ツィーターユニットのマグネットより大きめで、ユニットを裸の状態で試聴したところ、以外に高音域に伸びがあり、能率も高いユニットでした。
その為なのか、一般的なコーン型ツィーターユニットのマグネットより大きめで、ユニットを裸の状態で試聴したところ、以外に高音域に伸びがあり、能率も高いユニットでした。
マグネットのサイズは
・メイン・・・直径6cm厚さ1cm。
下の画像の中の左のマグネットは、チューンアップ用のキャンセルマグネット
・・・直径5.5cm厚さ1.2cm。
画像のツィーター用のユニットのフランジ部分は加工しました。
実質直径5cmテクニクスツィーター |
キャンセルマグネットとツィーターリア |
スピーカーとアンプの接続
「スパイス2.11」とアンプとの接続は、スピーカー(ユニット)の鳴らし方に書いてあるように、アンプとスピーカーユニットの接続回路の直流抵抗値を最小値する、ことが要求されます。
カナレ4芯スピーカーケーブ |
1、スピーカーとアンプを繋ぐスピーカーケーブルには、直流抵抗が小さい製品をセレクト。
2、フルレンジユニットとツィーターユニット間並びにツィーター接続用ターミナルを含めた接
続(接点)個所数を最小数に。
3、圧着端子を用い、圧着端子にはメッキハンダ処理を施し接触抵抗の低減に配慮。
4、アンプとフルレンジユニット間にターミナルはなく、スピーカーケーブルのアンプ接続側は
圧着端子とし、ユニット側はユニット付属の端子にハンダ付けとした。
5、スピーカーケーブルは、インダクタンスキャンセルの為にツイスト線のカナレ4芯スピーカ
ーケーブル4S8黒をセレクト。
フルレンジユニット(ドライバー)のマウントの考査
ユニットを裸の状態で鳴らすとユニットの磁気回路付近から不要な振動が起きていることを、
磁気回路を手で包み込むように抱えると感じることができます。
音量を上げると甚だ激しくなり、特に低音域(250㎐以下)の音が鳴っている時に、よく感じ
取れます。ユニット自体が軽量だと更に増します。
この不要振動は、ユニットの磁気回路とボイスコイルで起こした振幅運動が、ダンパー、振
動板、エッジに伝わることによるユニット自体(固有)でおこる振動です。
ダンパー側に近い磁気回路で起きている振動と、エッジ側にあるユニットのフレームフラン
ジ側で起きている振動があるようす。ユニットにはエッジ側とダンパー(磁気回路)側の2箇
所で不要振動が起きているようです。
更に、ユニットをエンクロージャーにマウントすると、エンクロージャーからの不要振動がユ
ニットのフレームフランジから伝わり、磁気回路に入ります。ユニット自体でおこる不要振動
とエンクロージャーからの不要振動が合わさった不要振動が磁気回路にはあると考えられ
ます。
ユニットの磁気回路が振動するということは、振動板が音声信号に忠実な振幅運動ができ
なくなり、歪が発生します。その音質は、再生音域全域で締まりないような、表現が悪いです
がボケ音質とでもいうような音になります。
一般的なウーハーユニットのエンクロージャーへのマウント方法は、バッフル板にユニットの
フレームフランジ部分に空いている穴にボルトとナットや木ねじ等を通して、ユニットとバッフ
ル板の間にガスケットを入れ締め付けていると思いますが、この方法では、上記の不要振
動を抑えることは容易なことではないと考えられます。
ユニットで起きている不要振動対策として、ユニットを鉛のインゴット+柱のような質量の大
きい素材に強固に磁気回路側で固定することで、ユニット自体の不要振動を抑えられるの
ではないかと考えます。
ユニットのフレームフランジ側をバッフル板の気密性を保ちつつ、フレームがぶれないよう
保持し、エンクロージャーからの不要振動が伝わりにくい素材(防振、制振)でユニットのフ
レームフランジ部分を挟み込んでマウントすると良いのではないかと考えます。
さらに、フレームフランジ部分自体の質量のアップを図ることで、エッジ側で起きている不要
振動を抑えることが出来るのではないかと考えられますが、今回の「スパイス2.11」では、
フレームフランジ部分の質量アップは行っていません。
*補足・・・・・スピーカーユニットのフレームがアルミ製のものや磁気回路が大きいユニット
は、ユニット自体の質量があるので不要振動を抑えるのに適した構造です。
この続きは、密閉型2Wayスピーカー「スパイス2.11」~3で・・・・・
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